1930年代、日本の写真史はドキュメンタリー写真と、西洋のシュルレアリスムの影響を強く受けた実験的あるいは前衛的なアプローチという全く異なる方向へと発展した。本書は濱谷浩と山本悍右という2人の傑出した写真家の作品を通して日本の近代写真のこの2つの系統を探る。濱谷浩（1915-1999）は東京で生まれ育ち、日本海沿岸の伝統的な生活や文化の記録に目を向けた。1940年から人里離れた村の正月儀礼を撮影し『雪国』として出版した。その後、中国の文化の変化、日本の政治運動、世界各地の風景を記録した。山本悍右はマン・レイ、マグリット、イヴ・タンギーなど、西洋の芸術家や文学者の革新的なアプローチに魅せられ、詩や絵画、彫刻、写真などを通じてシュルレアリスムや前衛的な思想を日本に広めた。本書は100点以上の画像の他、共同編集者であるジュディス・ケラーとアマンダ・マドックスによるエッセイ、飯沢耕太郎、金子隆一、によるエッセイ、生涯年表、ジョン・ソルトによる山本の詩のセレクション（翻訳）を収録。2013年3月26日から8月25日までJ.Paul Getty Museumで開催された同名の展覧会に伴い出版。「2013 Photo Book of the Year: Fine Art from American Photo」受賞写真集。22x27cm ハードカバー 1978
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