アメリカ・カリフォルニア出身の写真家マーク・ラウェーデルの作品集。「Los Angeles: Landscapes of Four Ecologies」シリーズの第一巻として刊行された。過去10年にわたり、作者は自身の故郷であるロサンゼルスの自然環境に関する壮大な記録を写真で収め続けてきた。荒涼としたカリフォルニアの沿岸から内陸部の広大な大地まで、山火事によって多くが丸裸にされ、機微で捉えがたくとも、独特な生態とそれを取り囲む人間の暮らしとの対話を作者は辿り続けた。そこでは多かれ少なかれ、野生は設計され、競われ、許可を得て、抗われるのである。全四巻の第一作目となる本書では、ビッグ・タジャンガ・ウォッシュから太平洋までロサンゼルス川を下る。忍耐強く、モノクロの大判と中判写真を駆使して描かれる、まるで科学捜査的な作者の写真群は、カールトン・ワトキンスやティモシー・H・オサリバンのような19世紀の写真家兼地図学者たちや1970年代のランド・アーティストたち、ニュー・トポグラフィクスの写真家たちの遺産を思い起こさせつつも、自身と風景の明白な関係性を築いてゆく。シリーズのタイトル「Landscapes of Four Ecologies」は、ロサンゼルスを「現代世界における生態学の驚異のひとつ」と評した建築評論家のレイナー・バンハム(Reyner Banham)の研究の名著「Los Angeles: The Architecture of Four Ecologies」を思わせる。作者史上最も野心的なプロジェクトとなる本4部構成シリーズのスケール感は、作品そのものが作者のアート・ステートメントと言える。「壮大というなら、大きすぎるほど大きいプロジェクトのことだろうと思う。境界線が緩くて、もはや制しがたいほどに大きいもの」(マーク・ラウェーデル)136p 30x24cm ハードカバー 2023 English.
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