ジョエル・スターンフェルドはこの本の中で、過去50年にわたる彼の作品における色彩理論のルーツと進化を明らかにする2つの個人的な物語を絡めている。1975年の夏、麻痺のリスクを伴う手術に直面したスターンフェルドは、最後の田舎の生活を求めてノースカロライナ州アウターバンクスのナグスヘッドに向かった。6月から8月にかけて、彼は時に漂うような海辺の町を撮影し、夢のような慰めの感覚をとらえた。スターンフェルドの写真には、あらゆる年齢の海水浴客が、レジャーやレクリエーションのさまざまなシーンで撮影されている。当時、スターンフェルドはすでに写真表現の基本としての色彩にこだわり、ヨゼフ・アルバースの『Interaction of Color(色彩の相互作用)』に魅了されていた。「色彩の知覚的特性に関するアルバースの実践と何らかの形で一致するような色彩現象を風景の中で見かけたときは、いつでも写真を撮った」
しかしこの夏の滞在は、スターンフェルドの弟の死によって悲劇的に中断された。写真家はニューヨークに戻り、二度とナグスヘッドに戻ることはなかった。やがてスターンフェルドは仕事を再開し、ある日クイーンズのロッカウェイ・ビーチに向かった。「醜い光景が突然、私には美しく見えたました」ここで彼は写真を撮った。砂浜、アパート、空の色彩が一体となってひとつのまとまった全体となり、ついには色彩を通じて満足以上の内容となった。絶望の中で撮られたこの写真は、「ナグスヘッド・シリーズ」の知覚的基礎となり、数年後、スターンフェルドの大作『American Prospects』の色彩構造へとつながっていく。(publisher's description)
96p 31 26cm ハードカバー 2024 English
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