未発表の写真のみで構成された本書は、ブルース・デビッドソンの60年にわたるキャリアを深く掘り下げる。1957年から1992年の間に撮影された写真を年代順に収録し、デビッドソンの卓越した多様性を示している。初期の仕事から、1年間にわたって追った「Brooklyn Gang」(1959年)、アメリカ公民権運動を記録した「Time of Change」(1961〜65年)、ハーレムの一街区に住む人々を捉えた代表作「East 100th Street」(1966〜68年)に至るまで、多彩なシリーズが含まれている。さらに「Subway」(1980年)や「Central Park」(1992年)といったシリーズは、デビッドソンがニューヨークという街を記録し続けた年代記録者であることを裏付けている。被写体が何であれ、この回顧から浮かび上がるのは彼の明確な感受性と被写体への共感、長期にわたって丹念に記録する姿勢、そして人々の信念やコミュニティ、サブカルチャーを捉える眼差しだ。歴史的な出来事そのものを撮影した同時代の写真家たちとは異なり、デビッドソンが焦点を当てたのは、そうした歴史の中に生きる「人々」だった。長いキャリアの終わりが近づくいま、彼はこの本を自らの芸術的旅路の総括として差し出している。これは別れの挨拶であり、レクイエムでもある。何十年にもわたる彼の視点が、世界に対する我々の理解をいかに形づくってきたかを示す証である。(publosher's description)144p 14x13cm 128photo ハードカバー・クロス装 2025 English
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