1946年、ニューヨーク生まれ。プラット・インスティチュートで絵画、彫刻を学び、歌手パティ・スミスと共同生活を営みつつ、コラージュやインスタレーション、ポラロイドカメラを使った作品を制作。早くから、性器や同性愛などタブーな耽美的な自己の性癖を打ち出し、静物やポートレート、ヌードなどのジャンルを横断しつつ高い完成度のアートを発表し続けた。黒人ヌードシリーズでは黒人を西洋彫刻の系譜に大胆に重ね合わせて賛否両論を巻き起こし、そのことで世界的な名声を得ていく。ボディービルダー、リサ・ライオンのポートレートシリーズを制作した80年代からは広告写真も多く手がけた。ホイットニー美術館で初めて回顧展が企画された写真家となったが、89年、エイズにより惜しまれつつ43歳の若さで死去。(金子義則)