スイス人アーティスト、ペーター・フィッシュリ（Peter Fischli）の作品集。「経済的利益のレトリックと犠牲」というテーマを296冊の本の表紙を通して探求した独創的な1冊。これまではフィッシュ & ヴァイスというアーティストデュオとして活躍していた作者にとってのこのソロプロジェクトは、296冊の本の表紙をゆるやかなトピック順に並べたイメージベースのアーティストブックである。例えば自己啓発、専門書、参考書のように、書店や図書館で見られるような分類の規則を模倣している。本書に登場する書籍は、金融と経済、経営、銀行業務、会計、利益の最大化、業績の向上など関連するテーマを中心としている。またタイトルは、作家のジョン・エルキントン（John Elkington）が1994年に提唱し、持続可能な企業評価の指針とされてきた「トリプルボトムライン」という概念から由来している。これは、会社の成功を測る基準を経済的条件から全体論的条件にシフトする考え方である。この考え方によると、利益だけでなく、生産性の高い事業を運営するために必要な人的コストと環境コストについても考慮することこそが、企業としての成功であると謳う。 348p 24x18cm ソフトカバー 2021 English.
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