写真家上田義彦があるとき偶然に出会った、林檎の木。それはその村で一番古い林檎の木だった。一瞬で目を奪われ、車窓から衝動的に撮影した後も「また撮りたい」という強い想いが残り、上田は数年後、同じ季節に同じ村を訪れ再び撮影した。8×10のカメラ越しに「眼が歓び」、「身体全体に歓びがわきあがった」という撮影時からぎゅっと縮小されたサイズのイメージには、生命力を放つ林檎の赤い実の反射や、その充満する光の中でシャッターを切った瞬間の「親密な距離」が感じられる。林檎の木という被写体を通して、生命力やその木が経て来た年月、そしてそこに出会えたという写真家の高揚した気分までもが写し取られた作品。
38p 15x13cm 並製本 2017 Japanese
上田義彦
1957年兵庫県生まれ。写真家福田匡伸氏、有田泰而氏に師事した後、1982年独立。エディトリアルワークをきっかけに、広告写真やコマーシャルフィルムなどを手がけ、東京ADC賞最高賞、ニューヨークADC賞等、国内外の代表的な国際デザイン賞を多数受賞。作家活動も独立当初から継続し、2014年に日本写真協会 作家賞を受賞。2015年までに32冊の写真集を刊行。2011
年よりGallery 916を主宰。
主な個展に「上田義彦『Photographs』」(東京都写真美術館、東京、2003年)、「Chamber
of Curiosities」(東京大学総合研究博物館、東京、2006年/国立台湾芸術大学芸術博物館、台北、2011年/リヨン市ガダーニュ美術館、フランス、2011年へ巡回)、「QUINAULT」(G/P Gallery、東京、2009年/Michael Hoppen
Gallery、ロンドン、2010年/TAI modern、サンタフェ、2010年へ巡回)などがある。
主な写真集に『構成 - TORANOMON TOWERS』『M.River』『M.Ganges』(赤々舎)、『旅情』『A Life with Camera』(羽鳥書店)、また、作品はエルメス・インターナショ
ナル(フランス)、ケンパー現代美術館(アメリカ)、ニューメキシコ美術館(アメリカ)、フランス国立図書館(パリ)、Stichting Art & Theatre(オランダ)に所蔵されている。
(赤々舎Artist Informationより)
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