写真家エイモス・バダーチャーによる待望の初のキャリア回顧集。アメリカ独特のクィアなアンダーグラウンドを包括的に記録した作品。独学で写真を学んだバダーチャー（1936–2023）は、数十年にわたって、境界的なクィアの世界――若い男性のセックスワーカーやドラァグパフォーマー、トランスジェンダーの先駆者たち、そしてメリーランド州ボルチモアの奔放で包摂的なナイトライフ――を何千枚もの写真に収めてきた。社会の周縁に置かれた人々との出会いを通じて、彼は自身のクィアとしてのアイデンティティを深く理解するようになり、自信に満ちた作品群を築き上げた。それはクィアアートと美学の重要な一角をなしている。本書に収められた写真は1960年代から2000年代初頭までのもの。バダーチャーの地元であるボルチモアに特有でありながらも、同時に普遍的な文化の記録として、他に類を見ない価値を持っている。LGBTQ+の権利運動と解放の進展とともに消えつつある一つの時代の記憶でもある。数百点に及ぶ写真に加えて、被写体となった人々の歴史や経験についてのバダーチャー自身の文章も収録されており、主流文化の中でしばしば無視され、恐れられ、対象化されてきた人々の親密な内面を照らし出している。本書は、20世紀を代表するポートレート作家にしてクィア・サブカルチャーの記録者として、ようやく正当な評価を受けつつあるバダーチャーへの重要な入門書である。(publisher's description) 334p 29x25cm ハードカバー 2025
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