ファッションの光沢の下に潜むものを掘り起こしながら、本書はファッションがどのように“汚れ”や“廃棄物”のもつ遊び心、過激さ、再生力を利用し、それらを反逆性や本物らしさ、魅力の象徴としてきたかを明らかにする。天然のものから人工的なものまで、さまざまな「汚れ」は、廃棄物、気候危機、労働の不公正といった問題に形づくられる現代のファッションの中で、素材革新と芸術的表現の重要な源となってきた。シミや擦り切れを装飾へと昇華させた衣服から、泥炭地に沈められた服、あるいはファッション廃棄物を再構築して生み出された作品まで、本書に紹介される事例は、既存の趣味、美、贅沢の概念を問い直し、ファッションの未来に新たな道を示唆している。本書は豊富な図版とともに、現代ファッションの重要な論者たち――キャロライン・エヴァンズ、深井晃子、ルー・ストッパード、サラ・アーノルド――による新たなエッセイを収録している。彼らのテキストは、脱植民地主義的批評、フェミニズム的抵抗、ファッションの環境的負荷、そして身体的親密さと公的な表象との緊張関係といったテーマを横断している。また、エレン・サンプソンによる大規模な写真ポートフォリオは、本書のテーマを象徴するアイコニックな衣服を鋭く観察し、緻密に記録している。登場するデザイナーには、ヴィヴィアン・ウエストウッド、フセイン・チャラヤン、コム デ ギャルソン、三宅一生、アレキサンダー・マックイーン、メゾン・マルジェラなどが名を連ねる。本書は、環境危機、文化的再考、そして変化する美的価値観に形づくられる現代において、ファッションの役割を見つめ直すためのタイムリーな視点を提示する。私たちが何を、なぜ身にまとうのか――その物語を問い直すきっかけを読者に与える一冊だ。(publisher's description) 280p 23x17cm ソフトカバー 2025 English
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