本書は、ウィリアム・エグルストンが最後に制作した、染料転写法（ダイ・トランスファー法）を用いた主要な写真群を収録している。エグルストンが自身の作品を最初に発表した形式であり、この手法で制作された最後の作品群でもある。エグルストンの鮮やかな写真は、日常を独自の詩的なイメージに変容させ、固定された意味にとらわれない。カラー写真の父と広く称される彼は、この技法の歴史における最重要作家のひとりである。1970年代にはアート写真における染料転写プリントの先駆者となり、技術的に高度なこの手法（1940年代にコダックによって開発）によって、求めていた色の深みと彩度の豊かさを実現した。しかし1990年代初頭、コダックはこのプリントに必要な染料・紙・フィルムの生産を終了し、残された材料の大部分は、ロサンゼルスのデイヴィッド・ツヴィルナーで展示されたこの主要作品群の制作に使用され、本書は、染料転写法で完成した新作の最終発表を記録するものとなった。さらに、ジェフリー・カストナーによる新たなエッセイも収録されており、写真史の重要な転換点におけるエグルストンの永続的な影響について、批評的な洞察が提供されている。(publisher's description) 112p 32x35cm 62 photos ハードカバー 2025 English
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