洋書写真集とアートブックの専門店

No. 11817
Bharat Sikka: A Set of Tapes(ご予約)
8,100円(税込8,910円)

 
バーラト・シッカによる本作は、ロサンゼルスのスリフトショップで見つけたカセットテープのコレクションがの着想源となっている。本書は「Side A」と「Side B」という二部構成で展開され、それぞれ数か月の間隔を置いて行われた二つの旅に対応している。ひとつは、娘を映画学校へ送り出すためにロサンゼルスへ向かった旅。ロードトリップという共有された儀式を通じて、彼は娘にアメリカという土地を紹介する。もうひとつは、最初の学期を終えた娘を迎えに行くため、その道程をたどり直す帰路の旅だ。本書は直線的な物語を語るのではなく、出発と帰還のリズムを組み立て、距離、反復、そして時間の経過そのものを主題としている。写真の制作後、シッカはカセットテープを解体し、内部の磁気テープを引き出して作品へと組み込んだ。そのリボン状のテープは、写真の上や余白のページを横断する介入として現れる。一筋の線であり、身振りであり、異なる要素を結びつける糸でもある。それは写真の連なりを中断しながら、同時に全体をひとつに結び留める。ときに道のように、ときに地平線のように、あるいはドローイングや編集の痕跡のように見えながら、記憶が物質的につくられていく過程を静かに示している。ミックステープの記憶やアメリカン・ロードトリップの神話が想起される一方で、この作品においてカセットはノスタルジーや象徴として扱われてはいない。むしろ移動の痕跡を刻む物質的な指標として変容し、イメージ、オブジェクト、そして出版物をひとつの連続したシークエンスへと結びつける。ここで提示されるのは、写真は単に経験を保存するためのものではなく、それらをつなぐ構造のなかで意味を獲得し、さらに地理的、時間的、感情的な風景を横断し続けることで新たな意味を帯びていく、という考え方である。バーラト・シッカはインドで生まれ育ち、同地で写真制作を始めたのち、ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインで学んだ。彼の作品は、写真を記録であると同時に芸術的探究の手段として捉え、個人的な視点を通じて、変化し続けるインドの文化的、社会的、感情的な風景を見つめている。長期にわたるプロジェクトでは、現代インドに残る文化の痕跡や社会変容を主題とし、それらをアートフォトグラフィーの視覚言語と物質的な形式によって表現している。(publisher's description)192p 26cmx32cm 2026 English
*11月上旬入荷予定。

掲載のイメージや情報は発売前のリリース情報に基づいて制作する場合があり現物と異なる際は現物を優先させて頂きます。

こちらはShelfのオンラインストアのページです。実店舗の在庫、扱い商品については店舗へ直接お問い合わせください。