ティム・ウォーカーの新作『Fairyland』は、クィア・アイデンティティ、愛、そしてコミュニティに捧げられた、彼にとってもっとも個人的で深い意味を持つシリーズである。25歳で『Vogue』の初エディトリアルを手がけて以来、ファッション写真界を代表する存在となったウォーカーが、本書では半世紀にわたるLGBTQ+アクティビズムの軌跡をたどる神話的な旅へ読者を誘う。幻想的で華やかなポートレートから親密で地に足のついた肖像まで、多彩な表現を通してその歴史と精神を描き出す。登場するのは、チュティ・ガトゥ、チャペル・ローン、ハリー・スタイルズといった広く知られた人物だけではない。1980年代のエイズ危機の最前線で活動した医療従事者や医学研究者など、歴史のなかで十分に語られてこなかった人々にも光を当てている。LGBTQ+の平等を勝ち取るために闘ってきた先駆者たち、そしてその遺産を受け継ぐ現代の世代への賛歌でもある。さらに、ラッセル・T・デイヴィス、ション・フェイ、トラヴィス・アラバンザ、リサ・パワー、ジョエル・テイラーによる鋭く示唆に富んだエッセイを収録。それぞれのテキストが写真群に豊かな文脈を与え、この「Fairyland」という場を、誰もが自分らしく存在できる世界として立ち上げる。ウォーカーの数多くの着想源と影響が織り込まれた、鮮やかなタペストリーのような一冊となっている。ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーで2026年10月から2027年1月まで開催会開催。320p 19x26cm ソフトカバー 2026 English
[ティム・ウォーカー(Tim Walker)]
1970年生まれ。エクセター芸術デザイン大学で写真を学び、リチャード・アヴェドンのアシスタントを務めた。作品は『Vogue』『W』『Vanity Fair』などで継続的に発表されている。近年の主なプロジェクトに、ヴィクトリア&アルバート博物館で開催された展覧会「Wonderful Things」(2019−20年)、そしてハリー・スタイルズのセカンド・アルバム『Fine Line』のジャケット写真がある。
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