1938年、ニューヨーク生まれ。少年時代に読んだアイザック・ディネーセンの小説に憧れ、エール大学を卒業後、61年にケニアへ移住した。ツァヴォ国立公園で管理の仕事をしながら、人と動物、自然との関係についての洞察を深めつつルポルタージュ手法で写真を撮影。密猟や干ばつによって倒れていくアフリカ像の姿を訴えた大量の写真も含めて刊行した日記/博物誌的な写真集『ジ・エンド・オブ・ザ・ゲーム』('65)は大きな反響を呼び、その後何度も再版されてビアードの代名詞となっている。やはりケニア北部の湖で行ったナイルワニの調査も同じスタイルで『アイリッズ・オブ・モーニング』('73)にまとめられた。80年代以降は写真やコラージュ作品の展示活動も精力的に展開し、ニューヨークとケニアを中心に活躍を続けている。(金子義則)