1920年、ベルリン生まれ。ユダヤ人迫害を逃れオーストラリアで市民権を獲得。オーストラリア版『ヴォーグ』の仕事を手始めに頭角をあらわし、62年からパリへ。仏『ヴォーグ』で認められファッション写真家として活躍していたが、70年に心臓発作を起こし、創作的な仕事に専念し始めた。早くから映画やドラマからの着想が滲んでいたニュートンの写真は、次第にヨーロッパ上流階級や社交界をシチュエーションに、性的退廃、フェティシズムを濃厚に取り込んだ演出で強いオリジナリティを形成していく。時にサドマゾ、露出狂なども連想させるイメージはポルノぎりぎりと言われたが、その技術と戦略は卓越しており、76年の『White Women』、80年代の『Big Nudes』シリーズなど名作写真集を通してアーティストとしての評価を不動のものにした。2004年にハリウッドで事故死。(金子義則)