1975年、スペイン生まれ。フォトジャーナリズムとしてキャリアをスタートさせた彼女は、ジャーナリズムが実際には「真実」を伝えるわけではなく「虚像」に過ぎないということを目の当たりにし、ジャーナリズムの現場から距離を取ると同時に、ドキュメンタリーとフィクションをミックスさせたような写真作品の制作を展開している。写真の持つ本来的な不確かさを、幻想的で物語的なタッチによって描き出すさまは、写真の持ついかがわしさを顕わにする。そんな彼女の写真を観る者は、自らを安全な「消費者」の立場に置くことを決して許されないだろう。(藤生新)