イギリス人フォトグラファー、ハーリー・ウィアー(Harley Weir)の作品集。2016年10月17日〜28日にかけてフランス北部カレー市の移民・難民キャンプで撮影を敢行。当局によるキャンプ解体の直前からその作業中の様子を捉えたイメージにはキャンプの家々や個人的な空間も写し出されている。その記録は、国境を越えるという苦難に置かれながらも家庭的で親しみのある風景を作ろうとした住人の人間性と、彼らが創意工夫を凝らし生活を少しでも実りあるものにしようとしていたことの証明と言える。救いの手を差し伸べようと思えばできるはずの人々から抑圧され冷淡に扱われても失われることのなかった、キャンプにおける人間らしさを象徴するほんの小さなパーソナルスペース。その頑ななこだわりを本書は示している。本作は、2016年11月にキャンプの撤去と難民の移動が強行されたことを受け、問題意識を高め寄付を募るべく出版された。初版の500部は僅か5日間で完売し、人権団体「La Cimade」に10,000ユーロの寄付が行われた。2018年現在、カレーの問題は未だ継続し、難民たちの身の危険や暴力を取り巻く状況はさらに悪化している。現地の移民や支援活動者は、整備されたインフラ設備、水道や最低限の衛生条件、医療へのアクセスもままならない中、フランス警察からの威圧や妨害にさらされている。カレーにおける継続的な移民問題の可視性を再び高めるため本書は再版されることとなり、売り上げの一部はこの地域で人権擁護活動を続けている慈善団体に寄付される。セカンドエディションでは、未公開のイメージ3点を新たに収録。2018年のブライトン・フォト・ビエンナーレでは同シリーズの大規模な展覧会が開催される。1000部限定 64p 29x22cm ソフトカバー 2018 English.
掲載のイメージや情報は発売前のリリース情報に基づいて制作する場合があり現物と異なる際は現物を優先させて頂きます。
こちらはShelfのオンラインストアのページです。実店舗の在庫、扱い商品については店舗へ直接お問い合わせください。