洋書写真集とアートブックの専門店

No. 6942
加納典明/Tenmei Kanoh: 三里塚1972
5,500円(税込6,050円)

 
70年代初頭の三里塚・成田闘争は農民、労働者、学生が < 土地は明け渡さない! > と血の滾るような徹底した抵抗をした。目の前で野良衣姿の農婦が、そぼ降る雨の中、泥塗れになり太い杭に躯を番線でぐるぐる捲きに縛り付けている。対し機動隊は遠慮容赦なく引っ剥がす。念わずシャッターを切るのも忘れ、ヤメロ!と怒鳴っていた。闘争が始まり43年経った今も空港路に一軒の土地が係争を二代に渉り続けている。土地に対する人々の人間の奥底の強さに、人と云う実存の果てしなさを念わされる。沖縄嘉手納基地を飛び立ったB52が北ヴェトナムに向け北爆を繰り返し、ビートルズが解散し、ミック・ジャガーがハイドパークで独特の上唇を捲り上げ跳ねていた。学生を始め青年達は社会との係りに実に行動的であった。体制派に対し如何に反体制であることを認識するか。<怒れる若者>を意識下の糧としていた。勝手な想像ではあるが、72年沖縄返還を控え、国は成田を自衛隊の基地、羽田を民間空港と、決して表に出ることのない底意があったのではないか…。時は移り、青年達は今 何を考えているのだろう。此の先 憲法九条を命題に青年達は如何なる理力を以て行動するのだろう。― 加納典明「三里塚1972」より 18x26cm 144p ソフトカバー 2015 Japanese/English

掲載のイメージや情報は発売前のリリース情報に基づいて制作する場合があり現物と異なる際は現物を優先させて頂きます。

こちらはShelfのオンラインストアのページです。実店舗の在庫、扱い商品については店舗へ直接お問い合わせください。