スウェーデン人フォトグラファー、モルテン・ランゲ(Mårten Lange)の作品集。中国には怪談や超自然的な存在への信仰に豊かな伝統が息づいている。姿かたちを変え、空気や漆黒の闇、光に変身する幽霊の話も沢山ある。本作で作者は、未来に向かって邁進する中国という国と、スモッグの中に漂う亡霊のように後ろからひっそりとついてくるその過去ついて語る。作者は、中国滞在中にものすごいスピードで成長・発展を遂げた結果、ここ数年の間に急速に拡大してきた大都市を訪れている。合理的な理論に基づく都市計画と混沌とした人々の日常生活との間に大きな隔たりを感じさせる景色を探し求め、作者はこうした巨大都市を歩きまわった。本作は、都市環境における光のユニークな性質をテーマとしている。そこでは汚染された大気から日光が差し込み、雨の中で煌めく無数のLEDライトが鏡のように世界の姿を間接的に世界を浮かび上がらせている。そのイメージ群は、碁盤の目を作り出している機械的かつ合理的な論理の内側に存在し、この論理を再現することによって、建築、テクノロジー、監視、未来といったものの中に生じる重複や亀裂の意味を追求する。作者の写真は、こうした亀裂、具体的には意味不明な暗号、壊れた窓、ガラスと鉄の秩序の中に生じた綻びや乱雑さを正確に捉えている。休みなく続く建築と拡大の狭間に置かれた都市のイメージを通じて、歴史、変遷、変化をほとんど顧みることなく計画、設計、反復される環境の中に住むことの持つ意味を問いかける。176p 33x23cm ソフトカバー 2020 English.
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