日本人写真家、古屋誠一の作品集。作者が1984年と1985年に撮ったドレスデンの写真は、日本人の写真家によるドイツ民主共和国、通称東ドイツの最後の日々における日常生活の記録という、他に類を見ない資料である。1980年代の初めからずっと作者はオーストリアの写真界で高く評価されてきた。作者は日本の建設会社の翻訳者としてドイツ東部の街ドレスデンにやってきた。若い一家の親密な情景、根深い不安と幸せな瞬間を捉えた私的な写真には、日々の生活と社会もしっかりと記録されている。ドイツ民主共和国の芸術写真には、他者として外側から物事を見つめる作者の見方に匹敵する作品はない。2015年に展覧会を開催することになった作者は30年ぶりにドレスデンに戻り、長い年月の間に資本主義的なライフスタイルが刻み込まれたなじみのある場所と、ドレスデンのイメージを完全に変えてしまったペギーダ(※註)のデモ行進をテーマに新しいシリーズを制作した。
※註 西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者のこと。192p 24x18cm ソフトカバー 2017 English.
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