ロシア人フォトグラファー、イリーナ・ロゾフスキー(Irina Rozovsky)の作品集。作者のレンズを通じて見た、ブルックリンのプロスペクトパークの叙情的なポートレイトを纏めた一作。NYの喧騒を一時逃れるために人々はこの公園にやってくる。この作品は、今から10年程前に作者がこの公園の南の池で小さなモーターボートに乗っていた時に思いついたアイデアがもとになっている。水の上を漂いながら木々の立ち並ぶ岸辺を眺めていた作者には、家族や恋人たち、友人、様々な文化と人種の人々が同じ場所と瞬間を共有している様子が蜃気楼のように見えた。パノラマのように広がるアメリカならではの人種の坩堝(るつぼ)は、誰もが平等になるこの空間において目に見える現実だった。 作者のカラー写真は、都市と自然が交錯する場面を捉え、人々の心を豊かにする民主的な公共空間としての公園の姿を提示している。そこでは風景と季節が、複雑な社会の現実に「多様性」という背景を与えている。
「変わり続けるニューヨークのスカイラインを背景にしたロゾフスキーのイメージの中で、プロスペクトパークはこの街とコミュニティの中心にあって人の心に潤いを与える大切な存在として描かれている。コロナの流行によって、この場所はより一層かけがえのないものになった」 ―Creative Review
「ロゾフスキーの詩的なイメージは、この場所をいかにもアメリカらしい人種の坩堝として表現している」 ―Aesthetica
「イリーナ・ロゾフスキーは、イメージが互いに及ぼす影響や『意味』という概念の意味について問いかけている」 ―Brooklyn Rail
96p 29x24cm ハードカバー 2021 English.
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