ドイツ人写真家ヴォルフガング・ティルマンスの作品集。1990年代から現在までに行われたインタビューと自身によるテキストを概観的にまとめ、時系列順に収録した一冊。過去の展覧会図録に掲載されていたステートメントや対談、ソーシャルメディアへの投稿や歌詞に至るまで出典元は多岐にわたり、言語を重要な表現の手段として用いてきた作者の真髄を感じさせる。その文章には、写真、音楽、政治、ナイトライフ、天文学、スピリチュアルなテーマ、アクティビズムに関する自身の考えが反映されている。また、写真家として自身の作品について論じる側でも、他者の考えを聞く側でも、作者は常に新鮮かつ明晰で一貫した思考を持つ1人の寛厚な「対談相手」であることがその内容から垣間見える。過去30年間に起きた社会的・文化的変化を追いながら、作者が芸術・文化批評へどれほど貢献したかを振り返ることのできる一作として仕上がっている。ニューヨーク近代美術館のシニアキュレーターであるロクサーナ・マルコシ（Roxana Marcoci）、同美術館でアシスタントキュレーターを務めていたフィル・テイラー（Phil Taylor）が編集。352p 25x17cm ソフトカバー 2022 English
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