イギリス人フォトグラファー、ナディア・リー・コーエンの作品集。作者は蚤の市やカー・ブート・セールなどで見つけた、その都市で生きた人生の残骸に魅了され、33個の名札を集めた。それを用いて自身が架空の33人の男女になりきって撮影した作品を収録。メイクアップ、装具、コスチュームを用いたそれぞれのポートレイトには、財布の中身、机の引き出し、小物入れなど、それぞれのキャラクターのディテールを表現する為の、その人物に関連する持ち物などの写真も添えられている。作者自身の姿をポートレイト上で認識することは難しく、それぞれのキャラクターの真の姿だけが見えるよう作られている。作者は人物を作り上げ、視覚化し、最終的には彼ら自身に変身した。「Who Isn’t Nadia Lee Cohen?」本プロジェクトは、この記録にそんなタイトルも与えている。
「ナディアは1960年代と70年代におけるアメリカの楽天主義を用い、大量の小道具とノスタルジアと正真正銘の愛情をもって、スタジオに当時のキャラクター達を生みだした。ナディアの変身は彼らを変貌させ、そして彼らは全てナディアであり、ナディアは彼らの全てなのである。」− マーティン・パー（Martin Parr）
「私は別人格というものを1つや2つは知っている。それがおそらくこの前書きを担当するのに至った理由だろう。しかし、私自身の別人格は1人だけだ。ナディア・リー・コーエンのそれは、この驚くほど豪勢な本の中でどれだけいるか確認できる。度肝を抜かれるほどのものだ。」− ポール・ルーベンス（Paul Reubens）
本書には、33人の登場人物とそれらに関する文章を掲載。作者が撮影中に登場人物になりきり、映像で記録した台詞の断片を読むことができる。作者は登場人物を見つけ出し、それを体現するために、その台詞を口にした。また、巻末には撮影現場でのポラロイド写真も掲載されている。
Second Edition 160p 30x24cm ハードカバー・クロス装 2022/2021 English.
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