1978年から1981年にかけて、ソフィー・カルは当時廃墟となっていたホテル・ドルセー（オルセー美術館前身の駅舎に併設されたホテル）を秘密裏に探検した。彼女は501号室を住居として選び、決まった方法もなしに、5年間にわたり廃墟となったホテルを撮影し続けた。お客の受付カード、古い電話、日記、謎の人物「Oddo」宛てのメッセージなど、探索しながら見つけたものを拾っていった。40年以上経った今、501号室は姿を消し、代わりにエレベーターが設置されている。オルセー美術館の学芸員ドナタン・グラウの招きでソフィー・カルは懐中電灯を手に、閉鎖中期間中に再び現場を探検した。彼女は保管していた写真、手紙、請求書、日用品などを再構成し、現在につながるオルセーの亡霊を追い求め、忘れ去られた過去をよみがえらせることを試みた。ソフィー・カルは、発見したものについて解説するためにフランスの考古学者ジャン＝ポール・ドゥムルを起用し、彼は事実とフィクションを組み合わせた一連の文章を執筆している。これらのエビデンスはすべて、調査ノートのようなアートオブジェにまとめられた。2022年にオルセー美術館で開催された「Les Fantômes d’Orsay」展に際して出版。392p 27x22cm ハードカバー 2022 English
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