2016年に禅フォトギャラリーより刊行した『新宿迷子』にて第36回土門拳賞を受賞した梁が、新宿の撮影と並行し10年以上にわたって撮り続けてきたテキヤの世界をこの度満を持して写真集として発表する。144p 21x29cm ソフトカバー 2022 Jap/Eng
11年前写真どころではなく食うにも困っていた頃、当時の私のビザでは働ける場所がほとんどなかった。とりあえずのバイトを探す為、韓国人留学生などが見る求人サイトを毎日眺めていた。どうせなら「撮れそう」なバイトがいいな、と思いながら探していたところ、ピッタリの求人を発見した。直訳すると「屋台で簡単な食べ物を売る」仕事。日当は15000円。直感でこれだ!と思った。 電話した。 現地集合。花火大会だった。テキヤだ!当たった。
以前から日本の祭り文化に興味があり、そこに必ずある「日本風」の屋台の集団に興味津々だったのだ。そして、いつかは撮りたいと思っていた。初日、いきなり生まれてから一度も揚げた事のない唐揚げを人生で初めて揚げ、そして売った。 祭りが始まる前に売り切れた。天職かと思った。笑
しかし、そこからは少しずつ現実を知り、結構きつかった。夏や冬は特に、過酷な状況下での長時間労働。見た目の派手さとは裏腹に、かなり泥臭い、肉体を削る仕事だった。写真はというと、カメラを出すまでに1年かかった。そこから10年。やっと纏まった。その間、広島風お好み焼きと焼きそばの達人になった。
― 梁丞佑
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