世界恐慌後アメリカの農村を記録したFSA(農業安定局)プロジェクトに参加し印象的な作品を残した女性写真家ドロシア・ラング。ワシントンのナショナルギャラリーで2023年11月から2024年3月まで開催の展覧会に関連して出版された写真集。
ドロシア・ラング（1895-1965）は、彼女の言葉を借りれば「重要で役に立つ」写真を撮ることを目指した。数十年にわたり、写真が人々の核となる価値観や自己の感覚をどのように表現できるかを探求し続けた彼女の姿勢は、現在の肖像写真に対する理解や、ドキュメンタリーの実践の意味を拡大する一助となった。ラングの繊細なポートレートは、しばしば社会から疎外された人々の共通の人間性を表現し、20世紀の広大な社会問題を理解する上で極めて重要な役割を果たした。1920年代から1930年代にかけてアリゾナやニューメキシコで撮影された先住民のポートレートや、ストライキに参加した労働者、出稼ぎ農民、アフリカ系アメリカ人の農村部、強制収容所に収容された日系アメリカ人、ヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカを旅して出会った人々など、ランゲの初期のポートレートは「思いやり」に支えられていた。著者は新たな調査をもとに、スタジオ・ポートレイトにおけるラングのルーツに迫り、彼女の影響力のある、そして広く見られる写真が、社会的、経済的、人種的不平等だけでなく、アイデンティティの問題をいかに扱っていたかを示す。(publisher's description)216p 27x24cm 100photo ハードカバー・クロス装 2023 English
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