フランス人写真家フランソワ・アラールは過去40年間、アートやインテリアデザイン、カルチャーの世界において最も特別な視点を持って活動してきた。Vogue誌やWorld of Interiors誌のフォトグラファーとしてその地位を築き上げ、世界で最も愛されている数々の空間を捉えてきた。その多くは過去2冊の作品集に収められており、大作とも言えるこのシリーズの第三巻となる本書は、最終巻であり最高傑作として幕を閉じる。イタリア人映画監督であるミケランジェロ・アントニオーニとイタリア人俳優モニカ・ヴィッティが過ごしたモダニズム建築の隠れ家から、21世紀を代表するアメリカ人アーティスト、サイ・トゥオンブリーの一家がイタリア海岸近くに持つ保養地、日系アメリカ人アーティスト、イサム・ノグチが使った日本のプライベート・スタジオ、メキシコ人建築家であるルイス・バラガンが手がけた失われた傑作まで、収録されたイメージはこれまでに作者が世に出したなかでも最もパーソナルで親密な写真群である。単なる記録を凌駕するこの作品は、撮影した空間の向こうに本質的な魂そのものを見つめる熟練の眼が成し得た賜物であろう。写真家自身もアート作品やオブジェの愛好家かつコレクターであり、その巨匠としての腕前は「見る」ことによって鍛え上げられている。インテリア自身の肖像、鑑定的な目線、文化におけるX線的視野の間を巡りながら創作され、ここに集められた写真は、パーソナルかつ唯一無二のビジュアル・イマジネーションが生んだ確かな証である。494p 33x24cm ハードカバー 2023 English
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