悪名高い十字架の丘は、リトアニアのシャウレイ近くにある巡礼地・観光地で、1830年から1831年にかけてロシア支配を打倒する大規模な試みであり結局は失敗に終わってしまった11月蜂起に端を発する。本書は2022年秋にリトアニア人の妻ドヴィレ・ドリジテとその両親とともに訪れたこの思い出の場所に対するユルゲン・テラーの親身な反応である。テラーは常に好奇心旺盛な観察眼で、この神聖な場所の強烈なスピリチュアリティを捉えている。わずか1エーカーの間に10万個以上密集する十字架、ロザリオの珠をまとったイエス・キリストの石の彫刻、大きな木彫りなど、彼の写真は複雑に絡み合った宗教図像を体現している。テラーは、キリストの小さな肖像やその他の象徴的な特徴を細部まで選び出し、率直な自己反省の行為として、それらを巧みに風景にフレーミングしている。このシリーズはテラーが2007年からコラボレーションしてきたファッションデザイナーのヴィヴィアン・ウェストウッドと、2013年から彼のギャラリストだったスザンヌ・タラシーブが2022年に亡くなったことを背景に、個人的な意味がさらに深くなっている。力強くも傷つきやすい彼女たちの肖像を象徴的なイメージのコレクションに組み込み、彼の作品にインスピレーションを与え続ける2人の人物への説得力のあるオマージュとなっている。（publisher's
description）74p 21x28cm 74photo ソフトカバー 2023 Eng/Ger
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