ベルギー出身のファッションデザイナー、マルタン・マルジェラの作品集。本書は2017年3月から8月にかけてベルギー・アントワープの「モード美術館(MoMu – Fashion Museum Antwerp)」、2018年3月から9月にかけてフランス・パリの「パリ装飾芸術美術館(Musée des Arts Décoratifs)」、そして同年10月から2019年3月にかけてスウェーデン・ストックホルムの「アーティペラーグ(Artipelag contemporary culture center)」で開催された同名展覧会に伴い刊行された当時のカタログを2024年に再刷したもの。展覧会および本書は、マルジェラがフランスの高級メゾン「エルメス(Hermès)」にて1997年から2003年までの間、レディースプレタポルテのデザイナーを務めていた時代にフィーチャーしている。当時手がけたコレクションやイメージフォト、ドローイングを数々の図版で堪能できる。マルジェラの仕立て・技術・素材の革新と、着心地・永遠性・触感を重視した新しいファッションの視点は、観る者に感動を与えるためではなく着る人を喜ばせることを第一の目的とする服を生みだした。また若さに固執するのではなく様々な年齢の女性を受け入れる余地を残した女性像も登場し、それにより美に対する新しいビジョンが生まれた。マルジェラが最も懇意にするコラボレーターたちへのインタビューや、ドレス史・テキスタイル史を専門とするレベッカ・アーノルド(Rebecca Arnold)、「モード美術館」のキュレーターであるカアト・ダボ(Kaat Debo)、ファッションジャーナリストのサラ・モワー(Sarah Mower)らの寄稿による広範なエッセイ、そしてジャーナリストでありファッション評論家のスージー・メンケス(Suzy Menkes)による序文を通じて、この20世紀から21世紀のファッションにおける重要な時期が呼び起こされる。「メゾン・マルタン・マルジェラ(Masion Martin Margiela)」のアーカイブからの未公開資料、「エルメス」が顧客向けに刊行する季刊誌『ル・モンド・エルメス(Le Monde d’Hermès)』から取り上げた数多くの印象的で絶妙に洗練された数多の画像、そして新たに加わった写真資料によって、作家がエルメスの為に制作した至高のワードローブの物語を織りなしている。全てのファッショニスタにとって必携の一冊。280p 30x24cm ハードカバー 2024/2018 English
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