既製品から生み出された、新しい物語。静物写真のスペシャリスト、写真家・金子親一が、世界各地から集めたプラスチック容器を独特なライティングで撮影したシリーズ。強い光を当てつつ、フィルターワークでマットに仕上げる手法を用いて、表層のハレーションを極限までなくすことで、通常は見えない姿や佇まいを浮かび上がらせる。プラスチック製品は世界20都市から集めている。多くの都市に自ら足を運び、郊外型の大型スーパー、DIYセンター、街中の中型スーパーなど数店舗をめぐって、面白い形のボトルを探したという。レディ・メイドとは、マルセル・デュシャンが提唱した現代アートの概念で、工業製品をモチーフとした一連の作品群を指し、「徹底した趣味の欠如」ないし「視覚的な無関心」と定義されている。それに対し金子は既製品に「新たな物語を発見」することを試みる。ライティングを決め、撮影物をゆっくり回し、カメラの高さを調整し、物の陰影を見極めるという手順・プロセスは詰将棋に似ているという。そうやって対象の個性を最大限に引き出した時、プラスチック容器は本来の役割を超えた別の存在として、見る者の前に立ち現れる。224p 26x20cm ハードカバー 2024 Jap/Eng
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