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No. 10798
小島一郎 Ichiro Kojima: Solitude Standing
5,450円(税込5,995円)

 
1924年に青森で生まれた小島一郎は、卓越した構図力と覆い焼き等を駆使した暗室技術で日本の東北地方の厳しい環境に生きる人々の営みを描いた。壮大な空のもと、眼前に広がる大地の光景に小島はカメラを手に向き合った。小島一郎の写真家としての活動期間は戦後の復員後から始まり、39歳で急逝すなまでの僅か10年という短い期間だが、残された作品は東北に生きる人々やその大地をドラマティックに表現したもので、観る人をいまだ惹きつけ心に響き続ける。本書はそのような小島の作品の中に見つけた「孤高」という側面に注目し、青森県立美術館に保存されている未発表作品を1から見直した上で新たに編纂。また、別冊として小島がカメラ雑誌に発表した最後の作品である「東京の夕日」を制作(未発表1点含む6点)。津軽のイメージから離れようとしても離れられないジレンマのなか上京生活で疲弊した心を写すかの如く、都市に沈む夕日に向けられた切なさやもどかしさは見るものの心にダイレクトに訴えかける。初版1000部 80p 27x23cm 62photo ハードカバー 2024 Jap/Eng

[小島一郎(Ichiro Kojima)]
1924(大正13)年、青森市生まれ。戦争からの復員後に写真を本格的に始める。1958(昭和33)年の初個展「津軽」を東京の小西六ギャラリーで開催し、それが話題を呼び、カメラ雑誌に掲載や各賞を受賞。1962(昭和37)年には、第2回個展「凍ばれる」(富士フォトサロン・東京)を開催。上京した東京で思うように仕事がうまくいかなくなった状況を打破するべく、1963(昭和38)年の冬に北海道に撮影旅行に向かうが、そこでの無理がたたって体調を崩し、青森に帰郷後、39歳の若さで急逝した。僅か10年の活動期間であったが、2009年に青森県立美術館で開催された大回顧展「小島一郎 ―北を撮る―」で再評価されることになり、2014年の没後50年の節目にはIZU PHOTO MUSEUM(静岡)で「小島一郎 北へ、北から」が開催された。

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