2024年11月から12月にかけてニューヨークの「ペース・ギャラリー（PACE GALLERY）」で開催されたロバート・フランク展と作者の生誕100周年に伴い刊行された写真集。写真家であり映像作家でもある作者が、多岐にわたるカメラやプリント方法、表現媒体を用いて試行錯誤した、その制作プロセスを詳しく紹介する。1955年から2016年までに作られたもののうち、あまり世に知られていない写真作品、コラージュ作品、スケッチ、構想模型（マケット）から抜粋したものを掲載。その作品群を追うことで、キャリアを通じて自身の発展と実験的な制作に対して捧げた様子を垣間見ることができ、新たなロバート・フランク像が浮き上がらせる。加えて、詩人であり随筆家、小説家のオーシャン・ヴオン（Ocean Vuong）による書き下ろしのテキストを収録。本書は、一つの規範とも言えるこのアーティストへの繊細なオマージュとなっている。ジューン・リーフ＆ロバート・フランク財団のディレクター、シャフルザード・キャメルが展覧会のキュレーションを担当しており、タイトル「Hope Makes Visions」はフランクが1979年に制作した「Fire Below&mdashto the East America, Mabou」のスケッチに由来する。同作は2019年にこの世を去ったフランクから財団に寄贈されたもので、未公開作品を中心に紹介する今回の展覧会のきっかけとなったもののひとつである。86p 31x25cm ソフトカバー 2024
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