洋書写真集とアートブックの専門店

No. 11186
Michael Brodie: Failing
15,800円(税込17,380円)

 
マイク・ブロディの初の写真集『A Period of Juvenile Prosperity』が世に出たのは10年以上前のことだった。そこに写っていたのは、彼と同じく貨物列車に乗って旅をする仲間たち。反骨心に満ち、野火のように自由と冒険を追い求める姿だった。ダニー・ライオンは『Aperture』誌でこう書いている。「ブロディは、まるで自分が写真を撮る最初の人間であるかのように、その世界に飛び込んでいった」。 その後に出たのが『Tones of Dirt and Bone』。これは彼が“ポラロイド・キッド”と呼ばれていた頃、SX-70で撮りためていた初期の作品集だ。写真に導かれるようにして、彼は貨物列車に乗るようになった。そして彼は、登場したときと同じくらい突然に、アートの世界から姿を消した。その消失もまた、ひとつの神話となったのかもしれない。あるいは、必要な撤退だったのかもしれない。「あの世界から自分を切り離そうとしてたんだ」と彼は語る。「大人になって、別の人生を追いかけていた」。 ナッシュビルでディーゼル整備士になり、恋に落ち、再びアメリカを横断し、結婚した。ジョニー・キャッシュが歌った、あの長く埃っぽいウィネマッカ・ロード沿いに土地を買い、起業し、家を建て、根を下ろした。そしてその生活が壊れたとき、再び道が彼を呼んだ。そのほとんどの時間を通して、彼のそばにはいつもカメラがあった——そしてついに、当時の写真たちが光を浴びることになる。 もし『A Period of Juvenile Prosperity』が映画のような夢だったとすれば、本作は目覚めであり、現実との対峙だ。愛と失恋、喪失と悲嘆に彩られた10年を記録した、剥き出しで痛みを孕んだ、そして真実に迫ろうとする写真日記。まるで聖書のようなスケールで、意味と真理を求める旅。これはアメリカン・ドリームの裏側を内側から見た物語。依存と死の混沌に寄り添い、社会の端で生きるヒッチハイカーや放浪者たちとの正面からの出会い。彼らは、道の上の寄せ集めのようなコミュニティによって支えられていた。本作は闇の中に存在しているが、その中にある恩寵に耳を澄ませている。ブロディの視線は、忘れられた場所に潜む奇妙で一瞬の美しさを見逃さない。広がる原野、埃にまみれた窓の向こうを幽霊のように流れ去る失われた地平線。 「振り返ってみると、まるで本当に起こったことじゃなかったみたいだ。カメラを構えた“写真家”ではなく、物語を語るための器だったような気がする。すべては夢の中の出来事のようで——これはただ、神が僕に与えた人生なんだと思う」。(publisher's description)412p ソフトカバー 2025 English

掲載のイメージや情報は発売前のリリース情報に基づいて制作する場合があり現物と異なる際は現物を優先させて頂きます。

こちらはShelfのオンラインストアのページです。実店舗の在庫、扱い商品については店舗へ直接お問い合わせください。