マルタンマルジェラや「アントワープの6人」の仲間として知られ、バレンシアガや
ヴェトモンと協働するベルギー人メイクアップアーティスト、インゲ・グロニャール
の、グラーツ美術館(オーストリア)による展示企画に付随して出版された写真集。
写真もインゲ・グロニャール自身が撮影している。
本書は、グラーツ市内に
7枚の看板を設置し、それぞれの看板にインゲ・グロニャールによるアイメイクの構
図を表示した、公共空間での展覧会『Eyes』に付随するものである。大規模なビル
ボードと同様に、『Eyes』のイメージは目だけに焦点を当て、孤立した被写体として
強調し、構図、色彩、質感の場として強調しながら、感情と深みを伝える能力を保持
している。メイクアップは、装飾と自己表現の両方として長い歴史を持ち、日常の儀
式に組み込まれながらも、創造的で文化的な実践の形として常に進化している。目を
孤立させることで、本作は日常と抽象の間のこの緊張を浮き彫りにする。元の文脈か
らずれたイメージは、より大きな美的文脈の中の補助的な要素ではなく、独立した視
覚言語としてのメイクアップに注目させる。グロニャールは、メイクアップに対する
生々しく型破りなアプローチで知られ、しばしば歪み、非対称性、非伝統的な素材を
探求する。本作はこれらのモチーフをより広い都市環境の中に移し替えることで強調
し、通行人に、メイクアップを単なる装飾としてではなく強力な構成行為として、つ
まりメイクアップを主体性と奔放さの場として取り戻す行為として関わるよう促す。
(publisher's description)64p 15×11cm ソフトカバー 2025
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