クラーク・ウィンターの鋭い観察眼がとらえた車の写真は、何十年にもわたり、世界中で撮影されてきた。そこには懐かしさがありつつ、車やドライバー、そして旅の途中で目にするさまざまなものとの関係性の微妙な機微が映し出されている。車は発明されて以来、アメリカ文化の変化を推し進めてきた原動力のひとつだ。都市や郊外の広がりを形づくるだけでなく、『アメリカン・グラフィティ』や『ワイルド・スピード』のような映画、ビーチ・ボーイズの「Fun, Fun, Fun」やブルース・スプリングスティーンの「Thunder Road」といった楽曲、さらには無数のロードトリップ本にも影響を与えてきた。ウィンターはこの50年のあいだに、車をアメリカ文化の象徴として撮る一方で、スペインやイタリア、中国などでも、車という存在のなかに普遍的な精神を見いだしてきた。カラーとモノクロで撮られた彼の写真は、単なる車そのものではなく、人と車との「身体的な関わり方」に焦点を当てている。そのため、1枚1枚がちょっとした舞台のようになり、持ち主や同乗者、通行人のあいだに、小さなドラマが静かに,
あるいはユーモラスに展開されている。そして、後部座席でアイスクリームを食べる、ガソリンスタンドで順番を待つ、渋滞にはまる、スピード違反で捕まる――そんな誰もが経験するようなシーンが写真におさめられているからこそ、ウィンターのまなざしには親しみがあり、どこか軽やかでもある。そこからは、自分自身の冒険や恋やスピードに満ちた日々が、ふとよみがえってくる。(publisher's description) 128p 29x21cm 78photo ハードカバー 2025 English
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