ポートレート写真が「アフリカ」という政治的概念の構築に果たした役割を豊かに検証する一冊。
1960年代、アフリカ大陸を席巻した独立運動は、同時期のアメリカ合衆国における公民権運動の高まりと呼応していた。大西洋を越えて響き合ったこれらの変革のうねりは、「アフリカ」という政治的アイデアを成立させる呼応関係を形づくった。本書は、この生まれつつあったパン・アフリカニズムの感覚において、ポートレート写真が担った役割を探るものである。そこにはジャン・デパラ、セイドゥ・ケイタ、マリック・シディベ、サンレ・ソリといった西・中央アフリカの創造的な写真家たちの作品に加え、ンジデカ・アクニリ・クロスビー、サミュエル・フォッソ、シルヴィア・ロージの現代作品も並ぶ。
ニューヨーク近代美術館（MoMA）の画期的な展覧会に合わせて刊行された本書は、自決とトランスナショナルな連帯の時代におけるポートレート写真の強い力を掘り下げるものとなっている。キュレーターであるオルレミ・C・オナバンジョのエッセイ、詩人モムタザ・メヘリと映画プログラマーのヤスミナ・プライスによる批評的テキスト、そしてブレント・ヘイズ・エドワーズとV・Y・ムディンベによる重要な理論的論考を収録。
ニューヨーク近代美術館（MoMA）で2025年12月14日〜2026年7月25日展覧会開催。
(publisher's description) 140p 27x23cm 105photos ハードカバー 2025 English
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