No. 11470
Arthur Tress: The Ramble, NYC 1969
1969年、アーサー・トレスはカメラを手に、セントラルパークの片隅にある鬱蒼としたランブルを歩くようになった。そこはニューヨークで最も知られた、クィアの男性たちの野外での出会いの場だった。19世紀に風景式庭園として設計されたこの場所は、60年代末には野性化し、街の中心にありながら、忘れられかけた隠れ場のような、偶然の出会いが生まれる空間になっていた。トレスは一年あまりのあいだ、繰り返しここに通い、クルージングの日常的な振る舞いを記録し続けた。自然の中で行われる野外クルージングとしては、現在ではこれが最古の写真記録とされている。彼の写真には、ランブルを行き交う男たちの流れが写っている。遠くから捉えられた姿もあれば、小さな場面としてポーズをとったり、そっと演出されたものもある。彼にとってこれらの写真は、単なる記録ではなく、寓意と夢が入り混じった、ひとつのクィアな静物画のようなものだった。長らく人目に触れなかった『ザ・ランブル』は、いまではニューヨークのクィア史における重要な記録と考えられている。民族誌のようでもあり、幻想のようでもあるその写真は、身体や欲望、そして隠れた場所がどのように互いを形づくるのかという静かなまなざしを、半世紀後に続く新たなクィア・ランドスケープのプロジェクトと共有している。
美術史家ジャクソン・デヴィドウによるエッセイを収めた本書は、この貴重なアーカイブの初めての出版物である。隠された世界の初期の肖像であり、都市の野生の片隅であり、木々のあいだで自分自身を探し求めるひとりのアーティストの姿でもある。(publisher's description) 112p 31x31cm ハードカバー 2025 English
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