No. 11654
Clark Winter: Free Air. Robert Frank ? Hands at Work
1973年以降ロバート・フランクの創作の炉となったのは、ブリーカー・ストリートにある彼のスタジオ兼住まいだった。しかし同じくらい重要だったのは(そしてさらに長かったのは)、彼が妻であるアーティスト、ジューン・リーフとともに1969年に購入したノヴァスコシア州マボウの風雨にさらされた漁師小屋だった。その後の半世紀の大半をそこで過ごし、制作し、思索し、静かに地域社会へ溶け込んでいった。写真家としてのフランクは、世界をこれまでにない理解と慈愛、共感をもって見つめ記録する眼差しで敬愛されている。一方で、手を使って生み出した作品はあまり知られていない。拾い集めた物、古い写真、そしてカメラまでもが、彼にとっては彫刻のための道具だった。本書の第一部「Land」では、写真家クラーク・ウィンターがケープブレトンの風景のエネルギーを捉え、フランクの手が可能性を探る瞬間を記録している。コンタクトシートを見つめ、手にはルーペ、そばでは薪ストーブが赤々と燃えている。周囲にはお守りのような品々や記憶の欠片が散らばる。色あせた絵葉書、小さな飾り物、がらくた、そして若き日のリーフとフランクが笑いかけてくる写真。第二部「Tables」では、拾い集められた物たちが卓上で踊り、混じり合う姿が映し出される。最後の「Boxes」では、ブリーカー・ストリートに積まれた箱へと視線が移る。そこにはフランクの写真やフィルムが収められ、擦り切れた箱が記憶の層のように重なり合う。中身を示す手がかりは、フランクの手書きのラベルだけ──「Family」「Circus」「Japan」「Peru」。これらが一望されるとき、ウィンターの写真は、恐れなく創作を続けたひとりの精神の、まだ知られざる側面を浮かび上がらせる。
128p 22x21cm ハードカバー 2026 English
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