洋書写真集とアートブックの専門店

No. 11701
スクリプカリウ落合安奈『ひ か り の う つ わ』(ご予約)
7,000円(税込7,700円)

 
スクリプカリウ落合安奈、初の写真集『ひかりのうつわ』。本作は、作家の父の故郷であるルーマニアを舞台に、約一年にわたる滞在のなかで撮影された写真によって構成されています。日本とルーマニアという二つの母国のあいだで、自身の根を探り続けてきた落合にとって、この旅は、これまで深く触れることのなかったもう一つの故郷へと向かう、はじめての本格的な歩みでした。自身の内側にありながら機能していない感覚 ── 彼女が「透明な臓器」と呼ぶもの。その臓器に血を通わせたのは、産みの母でも血縁上の父でもなく、この旅路で出会った、たくさんの「母たち、父たち」でした。土地に根ざした人々の営み、信仰、自然との関わりのなかで重ねられた時間が、経験と記憶となって、少しずつ内側に巡りはじめます。冬の光に包まれた静かな気配、春のはじまりを告げる花々と祈り、夏の陽光のもとでのびやかに続く営み、秋の実りとともに深まる時間。季節をめぐるなかで出会う風景や人々は、それぞれの物語を宿しながら、土地に生きる営みのリズムを静かに伝えてきます。人の引いた境界にかかわらず降り注ぐ光のもとで、それらは等しく結び合わされていきます。この旅路で出会った人々との時間、そして土地が宿す記憶が内側に注がれていく『ひ か り の う つ わ』は、ひとりの作家が自身の起源に触れていく過程であると同時に、私たちそれぞれの内にある見えないうつわをも照らし出す記録といえるでしょう。 表紙の布装の質感、活版印刷の奥行き、本文に静かに留められたひとひらの詩文。ひとりひとりの手に、魂に、触れる一冊として、ここに送り出します。(publisher's description) 240p 25x19cm 2026 Eng/Ger
*6月上旬入荷予定。

[スクリプカリウ落合安奈(Ana Scripcariu-Ochiai)]
1992年埼玉県生まれ。日本とルーマニアの 2 つの母国に根を下ろす方法の模索をきっかけに、「土地と人の結びつき」というテーマを持つ。国内外各地で土着の祭や民間信仰などの文化人類学的なフィールドワークを重ね、近年はその延長線として霊長類学の分野にも取り組みながら、インスタレーション、写真、映像、絵画などマルチメディアな作品を制作。「時間や距離、土地や民族を越えて物事が触れ合い、地続きになる瞬間」を紡ぐ。東京藝術大学油画専攻を首席、美術学部総代で卒業。同大学大学院グローバルアートプラクティス専攻修了。同大学大学院彫刻専攻博士課程修了。東京都写真美術館(2025)、福岡市美術館(2025)、上野の森美術館(2025)、ポーラミュージアムアネックス(2025)、埼玉県立近代美術館(2023、2020-2021)、ルーマニア国立現代美術館(2020)、東京都美術館(2019)、世界遺産のフランスのシャンボール城(2018)やベトナムのホイアン(2019)など世界各地で作品を発表。主な受賞歴は、ARTnews Japan「30 ARTISTS U35 2022」、「TERRADA ART AWARD 2021」 鷲田めるろ賞、「Forbes Japan 30 UNDER 30 」2020、「Y.A.C. RESULTS 2020」SWITCHLAB / ルーマニアなど。令和4年度公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員としてルーマニアで活動。

掲載のイメージや情報は発売前のリリース情報に基づいて制作する場合があり現物と異なる際は現物を優先させて頂きます。

こちらはShelfのオンラインストアのページです。実店舗の在庫、扱い商品については店舗へ直接お問い合わせください。