フランス人フォトグラファー、ロマン・ラプラードの作品集。
1950年代から1980年代にかけてパリで建てられた集合住宅のエントランスホールを撮影したシリーズをまとめた本書。作者は数年に亘りパリの街を歩き、素材、幾何学的な構成、モザイク、色彩、反射、タイポグラフィ、照明器具、彫刻的な郵便受けなどが織りなす独自の視覚言語を備えた、ひっそりと佇む建築空間を記録してきた。
本書は、そうした「隠れた宝物」を、造形的な共鳴や視覚的な反復によって繋ぎ合わせた一冊である。建築という文脈から切り離されたエントランスホールは、自律した抽象的な空間として立ち現れ、記録として読む以上に、その場の感覚を体験することへと読者を導く。ページをめくるごとに形や模様、光が呼応し合い、作者の直感的かつ繊細な眼差しによって構成された連続性が生まれている。
建築史や類型学的な視点から捉えるのではなく、本書は戦後の空間的・視覚的な実験精神が息づく、細部と感覚の建築へと読者を誘う。ジャン=クロード・ジラール(Jean-Claude Girard)によるテキストを収録し、公共空間と住まいの親密さの狭間に位置する移行空間としてのエントランスホールを、日常の経験の場として静かに読み解いている。(publisher's description)368p 23x28cm 67photo ソフトカバー 2026
*7月中旬〜8月頃入荷予定。
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