1917年、米国ニュージャージー州生まれ。『ハーパース・バザー』の著名なアートディレクター、A・ブロドビッチの教えを受け絵画を志すが、『ヴォーグ』のアートディレクターだったA・リーバーマンに写真の才能を見出され、ファッション写真の道を歩み出す。美術的なトーンは保持しつつ、肖像でも静物でも、その社会的な意味や時代性をクリアに打ち出してみせる彼の写真は、戦後ファッションの大衆化に伴走する形で、ファッション写真の範疇を大きく押し広げた。テント式の移動スタジオをかかえて旅し、シンプルな布バックを背景に世界中の民族を撮影して回った成果は、1974年の写真集『小さな部屋のなかの世界』に収められ、その後の写真家たちに大きな影響を与えるスタイルとなった。(金子義則)