1968年、ドイツ生まれ。80年代末より自分の友人たちやクラブピープルたちと自分とをテーマに写真を撮り始め、92年にロンドンへ移住後は『i-D』『THE FACE』などのカルチャー誌で活躍。虚飾を廃しリアリティを指向する、当時の若者ファッションのドレスダウン・ムーヴメントと伴走するように、そのゲイ・セクシャリティ、私小説的な思索を感じさせるシンプルなスナップショットは、まずオルタナティブロック的に、その後ファインアートとして高い評価を集めていく。ニューヨークやロンドンを移り住む中で、風景や静物、ヌード、抽象的プリントワークなど多様な形態で作品を発表し続け、2000年にはイギリスで最も権威ある現代アート賞、ターナー賞を受賞。その動向が多くのアーティストへ影響を与え続けている。(金子義則)