路上で出会った人々に声をかけ、まるで恋するように写真を撮る写真家、元田敬三の
写真集。モノクロームによるスナップとポートレートで男気溢れる世界を描き出す印
象が強い元田敬三が、逗子の海辺、東京、各地のストリートを舞台に撮った365点に
のぼるカラーポジによる写真と日々を綴った文で構成。森山大道氏が帯文を寄せている。384p 14x21cm ハードカバー 2018 Eng/Ger/Fre
早朝のアルバイトをはじめた。毎朝通勤で通る渚橋からの風景はいつも予想とは違う驚きに満ちたものだった。来る日も来る日も写真を撮った。次第に毎日の繰り返しは決して同じ繰り返しではないことに気付き身の周りのことに強い関心を持つようになった。些細な出来事や大切な瞬間を敏感に受動出来るようになったことで荒れていた心は次第に平静を取り戻した。大切なことが溢れている。渚橋からグッドモーニングと呪文を唱えると水面で魚が跳ねて鳥の群が頭上を旋回する。タンクトップの老人は体操を始め、三脚に望遠レンズのキャメラマンは朝焼けの富士を狙う。白い船が沖へ向かう。嗚呼、渚橋からグッドモーニング。(元田敬三)
[元田敬三 (Keizo Motoda)]
1971 年、大阪生まれ。桃山学院大学経済学部卒業後、写真家を志し、ビジュアルアーツ専門学校大阪に入学。在学中96年に第 33 回準太陽賞受賞。97 年に大阪新聞にて路上で出会った人の写真とエッセイを 1 年間連載。現在の写真行為の原点となる。写真とは人出会う為にもっとも有効な手段である。と共に、写真は行為であり恋である。心がハッとしたらシャッターを切る→スナップショットで時代を切り開く。主な個展に「ON THE STREET, OSAKA」(ガーディアン・ガーデン、1996)、「SNAP OSAKA」(photographers’ gallery、2002)、「Sunday Harajuku」(エプサイト、2013)、「御意見無用」(MEM、2018)など。主なグループ展に「東京・TOKYO 日本の新進作家 vol.13」(東京都写真美術館、2016)、「ドレス・コード?──着る人たちのゲーム」(京都国立近代美術館、熊本市現代美術館、2019)ほか。
掲載のイメージや情報は発売前のリリース情報に基づいて制作する場合があり現物と異なる際は現物を優先させて頂きます。
こちらはShelfのオンラインストアのページです。実店舗の在庫、扱い商品については店舗へ直接お問い合わせください。