ハリー・グリエールは、1970年代から1980年代にかけてヨーロッパで最初にカラーの創造的可能性を追求した写真家の一人である。アメリカの写真家や映画から影響を受けた彼の作品は、感情的で物語性がなく、大胆なグラフィックで世界を認識するという、カラー写真の新たな領域を定義した。1972年、ロンドンに在住していた彼は、テレビのダイヤルをランダムに回し、そこで見た歪んだイメージを撮影することで、印象的なシリーズ「TV Shots」を制作した。後のシリーズ『Made in Belgium』では、祖国とのアンビバレントな関係を彩度の高い色調で描いている。1941年アントワープ生まれで、1982年からマグナム・フォトのメンバー。最近の作品では、デジタル写真の可能性を取り入れ、よりリスクを冒し、新しい方法で光をとらえることができると感じられる。ハリー・グリエールのイメージは自律的かつ自立的であり、しばしば文脈やテーマの論理から独立している。初の回顧作品集となる本書は、表現の自由と感覚の解放を求める彼の個人的な探求を見事に概観している。（publisher's description）144p 27x29cm ハードカバー 2015 English
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