洋書写真集とアートブックの専門店

No. 11095
深瀬昌久/Masahisa Fukase: 遊戯(ご予約)
6,500円(税込7,150円)

 
深瀬昌久の初となる写真集『遊戯』(中央公論社 映像の現代4)は、1971年に刊行された。深瀬が十数年にわたり撮影した写真群を、『カメラ毎日』編集者の山岸章二がオムニバス形式でまとめたこの一冊は、深瀬の原点にして、その後の作品を方向づけるイメージに満ちている。『遊戯』は、写真と人生との鮮烈な対応を表すように6章で構成された。鰐部洋子を家畜をほふる屠場に伴い、解体される家畜の姿と黒いマントでポーズをとる洋子を撮影した「屠」、その後結婚した洋子との結婚式や新婚生活を私小説風に写し出す「寿」、家出をした深瀬が新宿のアンダーグラウンドシーンで共同生活を送った日々に撮った「戯」、昔の恋人である川上幸代の妊娠時の姿も収めた、最も初期の作品である「冥」、洋子とその母を撮影した「母」そして「譜」。自身と自身の身内にレンズを向け、生と死の対照とつながりを赤裸々に写し、生きることの遊戯に満ちた有りようを写真表現を通して表した、深瀬の圧巻の第一作目の写真集である。今回の『遊戯』復刊に際しは、原版に掲載する全ての写真と文章を収載。その上で、デザインによる再構築を目指し、写真と周囲の空間との関わりや、タイトルの多重露光的造形など、時代を超えた深瀬への応答とも言えるもの。「Homo Ludens」の営みを幾重にも投げかける写真集『遊戯』は、深瀬作品への、そして私たち自身への視座として、あらためて重要な一冊となるに違いない。128p 28x23cm ハードカバー 2025 Jap/Eng
*4月中旬入荷予定。

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