洋書写真集とアートブックの専門店

No. 11097
深瀬昌久/Masahisa Fukase: 遊戯+洋子(ご予約)
13,000円(税込14,300円)

 
深瀬昌久の『遊戯』と『洋子』を同梱発送させて頂きます。

『遊戯』
深瀬昌久の初となる写真集『遊戯』(中央公論社 映像の現代4)は、1971年に刊行された。深瀬が十数年にわたり撮影した写真群を、『カメラ毎日』編集者の山岸章二がオムニバス形式でまとめたこの一冊は、深瀬の原点にして、その後の作品を方向づけるイメージに満ちている。『遊戯』は、写真と人生との鮮烈な対応を表すように6章で構成された。鰐部洋子を家畜をほふる屠場に伴い、解体される家畜の姿と黒いマントでポーズをとる洋子を撮影した「屠」、その後結婚した洋子との結婚式や新婚生活を私小説風に写し出す「寿」、家出をした深瀬が新宿のアンダーグラウンドシーンで共同生活を送った日々に撮った「戯」、昔の恋人である川上幸代の妊娠時の姿も収めた、最も初期の作品である「冥」、洋子とその母を撮影した「母」そして「譜」。自身と自身の身内にレンズを向け、生と死の対照とつながりを赤裸々に写し、生きることの遊戯に満ちた有りようを写真表現を通して表した、深瀬の圧巻の第一作目の写真集である。今回の『遊戯』復刊に際しは、原版に掲載する全ての写真と文章を収載。その上で、デザインによる再構築を目指し、写真と周囲の空間との関わりや、タイトルの多重露光的造形など、時代を超えた深瀬への応答とも言えるもの。「Homo Ludens」の営みを幾重にも投げかける写真集『遊戯』は、深瀬作品への、そして私たち自身への視座として、あらためて重要な一冊となるに違いない。128p 28x23cm ハードカバー 2025 Jap/Eng

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『洋子』
深瀬作品を代表し決定づけるシリーズとして位置づけられながら長らく絶版だった深瀬昌久著『洋子』(朝日ソノラマ写真選書8、1978年刊)を約半世紀ぶりに刊行。モデルである三好洋子氏の全面的協力のもと、深瀬昌久アーカイブスディレクターであるトモ・コスガ監修で原版のすべての写真と文章が収録されている。「10年余という歳月のなかで、ひとりの男がひとりの女を撮った記録がここにある。」(山岸章二)深瀬と洋子は1963年に出会い、64年に結婚。60年代には新婚の二人が暮らした草加松原団地で、70年代には深瀬の故郷の北海道、洋子の生地の金沢、伊豆や京都と各地を舞台に撮影を重ねた。1973年には毎朝洒落れた出立ちで出勤する洋子のさまざまなポーズを4階の自宅窓から望遠レンズでとらえた《無題(窓から)》と題する一連も生まれ、これらの写真群は1964年から1976年にかけて『カメラ毎日』誌上で間欠的に発表された。1974年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された「NewJapanese Photography」展に深瀬の作品が出品され、二人が現地を訪れた旅の様子も写真に収められている。徹底して自己を追求し、自己と身近な存在にカメラを向けつづける深瀬。「私生活が表現に持ち込まれ、プライベートが公になった結果、次第に〈写真を撮るために一緒にいるようなパラドックス〉が生じ」(トモ・コスガ)、1976年に二人は離婚、その2年後に写真集『洋子』(朝日ソノラマ)は完成した。その表紙は、放射状に割れたガラスの下にある着物姿の洋子の写真がこちらを見返しているものだった。今回の復刊にあたっては判型を大きくし一枚一枚の写真と向き合う力を高めるとともに、所々に飛来し二人の未来を暗示するかのような鴉の写真のページを、より静かに配している。あらためて『洋子』において、深瀬が写したものは何であったか。戦後世代が負う時代精神を背景に、写真の本質的な問いであり可能性でもある二人の関係性を見つめ、『洋子』がより自由なスケールをもって今に羽ばたくことを願う一冊。168p 25x25cm ハードカバー 2025 Jap/Eng

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*4月中旬入荷予定。

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