戦後日本を代表する写真家・奈良原一高の米国滞在4年間の成果を凝縮した名作の新装版。長崎半島沖に浮かぶ人口の島・端島を題材とした『人間の土地』、男子修道院と婦人刑務所をドキュメントした『王国』、3年間ヨーロッパを巡って撮った『ヨーロッパ・静止した時間』を経て、1970年4月、奈良原は次の目的地アメリカへと旅立つ。1974年まで滞在したこのアメリカでの活動4年間の総決算として発表した写真集『消滅した時間』は、ドライな感覚でアメリカ大陸に向き合い、まるで別世界のごとく写された超現実的でスケールの大きな101点もの写真が、デザイナー・勝井三雄に
よるドイツ装・三方背函・輸送ケース付き369×355mmという大判サイズによる装丁で、1975年に朝日新聞社より発表された。その作品群を最終版として再構築し、芸術的とも呼ばれる写真表現、構成力を存分に味わえるように編集したのが、今回の新装版となる。 巻末には、長年にわたり奈良原一高を研究してきた島根県立美術館・蔦谷典子氏による書下ろし作品解説も収録。 242p A4変形 ハードカバー 2025 Japanese
[奈良原一高(Ikko Narahara)]
1931年福岡生まれ。大学院在学中の1956年に、初めての個展「人間の土地」が大きな反響を呼び、写真家としての活動を始める。1959年、東松照明、細江英公、川田喜久治らとセルフ・エイジェンシィ「VIVO」を結成(1961解散)。その後、パリ(1962-1964)、ニューヨーク(1970-1974)と拠点を移しながら活動。1974年帰国後も世界各地を取材し、多数の展覧会を開催。写真集も数多く出版し、国際的にも高い評価を受ける。2020年1月19日、逝去。
*5月下旬刊行予定。
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