日本の写真表現を切り拓いてきた石内都を総覧する英語による初めての本格的サーベイ。古いアパートメント群、人の傷跡、着物の布地、故人の遺品、さらには自身の水損プリントまで──石内都は多様な対象を通して「見えないもの」を写し取り、時間、空気、記憶といった気配を写真というかたちに定着させてきた。個人的な深みを持ちながら、フレームに残された痕跡が示す世界の広がりをも喚起する作品群である。1970年代に活動を始めて以来、石内は日本を代表する写真家のひとりとなり、男性中心だった写真界で女性作家の道を切り開いてきた。本書は50年にわたる彼女の実践の軌跡をたどり、場所との関係、時間の流れ、身体と遺された物、そして常に作品の核にある物質性と儚さといった、彼女の仕事に繰り返し現れる主題を浮かび上がらせる。三つのテーマ、「Town」「Skin & Scars」「Things Left Behind」のもとに、故郷を写した『横須賀ストーリー』、同年生まれの五十人の女性の手足を撮影した『1・9・4・7』、フリーダ・カーロの遺品を記録した『Frida』などのシリーズを収録。主要作に加え、あまり知られていない作品や未発表資料も含まれる。石内自身の過去の文章の抜粋、レナ・フリッチによる詳細なインタビュー、新たに書き下ろされたエッセイを通して、作家の声が全編に響いている。260p 27x22cm 160photo ソフトカバー 2026 English
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