1894年、ブダペスト生まれ。18歳でカメラを買い独学で写真を習得。25年にパリへ移住するとフリーランスとしてグラフ誌などで働き始め、レジェやマン・レイなどアーティストとの交流の中でシュルレアレスムや構成主義の影響を受ける。ライカを愛用した彼のスナップショットはストレートな作法ながら、被写体や風景が異世界にあるかのような表情で切り取られ、水の反射や鏡を用いたディストーション・シリーズなど優れた着想の作品を次々と発表。20〜30年代のアバンギャルド・ムーヴメントの中で注目を集め、ブレッソンやブラッサイなどの写真家に影響を与えた。36年にアメリカへ移住すると『ヴォーグ』誌などで撮影。64年にニューヨーク近代美術館で個展が開催されて以降、アメリカでも評価が定着した。85年没。(金子義則)